Symphony V
「村儀さん!高遠稜輔と、話しできませんか!?」

唯の言葉に、村儀は首を横にふった。

「どうしてです!」

「…相手は一応政治家だ。忙しいと言って話を聞く暇がないんだ」

「そんな…!」

唯はどうしたものかと俯いた。


なんとかして、話を聞かないと。
答えが、つかめそうなのに…!


困った風な唯を見て、佐藤がぼそっと村儀に何かを耳打ちした。

「おい、お前…」

村儀が驚いたような顔をする。佐藤はにこっと笑って、そのまま部屋を出て行った。

「どうして急に、稜輔と話がしたいなんて」

レオンに聞かれて、唯は少し困った顔をする。


どうしよう。思ってること、話しておいた方がいいのかな。
でも、まだ確証はないし…


悩んでいると、佐藤がまた、部屋の中へと入ってきた。

「東峰さん。すぐに出かけられる?」

聞かれて唯は首を傾げた。

「30分だけ、時間の都合をつけさせたわ。ほら、急いで」

ウインクする佐藤。唯はありがとうございます!と頭を下げた。
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