Symphony V
「あの、すみません」
唯が話しかけると、稜輔の眉が一瞬ピクリと動いた。
「…君は?」
内心、分かっているくせに、と思いつつ、唯はあえて名前を明かさずに続けた。
「レオンの友人で、稜夜先輩の後輩です。あなたに少し、伺いたいことがあるんです」
唯が言うと、無言のまま、唯の言葉を待った。
「あの、稜夜先輩が神隠しにあったって本当ですか?」
聞くが何も答えない。
「インターネットにそういう記載があったのを見つけたんですけど」
「君たちはわざわざそんなことを聞くために、私の大切な時間を割かせたのかい?」
冷たい声。唯は思わず怯む。
「まったく…警視総監が直々にお願いをしてくるから何事かと思えば…こんな小娘のゴシップの確認とは」
「ゴシップじゃありません!大事なことなんです!」
唯が少しむっとして言うと、稜輔はすっと唯を見据えていった。
「では、一体。何がどう大事なことだというんだね?」
「それは――――……」
言ってもいいものかわからず、唯は口ごもってしまう。
もしこれが間違ってたら…
怒られるだけじゃすまないよね…
戸惑う唯の背中をレオンがぽんと叩いた。
大丈夫。
そう、言われているような気がして、唯はキッと稜輔の方を睨み返した。
唯が話しかけると、稜輔の眉が一瞬ピクリと動いた。
「…君は?」
内心、分かっているくせに、と思いつつ、唯はあえて名前を明かさずに続けた。
「レオンの友人で、稜夜先輩の後輩です。あなたに少し、伺いたいことがあるんです」
唯が言うと、無言のまま、唯の言葉を待った。
「あの、稜夜先輩が神隠しにあったって本当ですか?」
聞くが何も答えない。
「インターネットにそういう記載があったのを見つけたんですけど」
「君たちはわざわざそんなことを聞くために、私の大切な時間を割かせたのかい?」
冷たい声。唯は思わず怯む。
「まったく…警視総監が直々にお願いをしてくるから何事かと思えば…こんな小娘のゴシップの確認とは」
「ゴシップじゃありません!大事なことなんです!」
唯が少しむっとして言うと、稜輔はすっと唯を見据えていった。
「では、一体。何がどう大事なことだというんだね?」
「それは――――……」
言ってもいいものかわからず、唯は口ごもってしまう。
もしこれが間違ってたら…
怒られるだけじゃすまないよね…
戸惑う唯の背中をレオンがぽんと叩いた。
大丈夫。
そう、言われているような気がして、唯はキッと稜輔の方を睨み返した。