Symphony V
「稜夜先輩が殺されたことと、関係がありますから」

唯の言葉に、稜輔は笑った。

「どう、関係があるというんだ?」

「殺人事件の、鍵を握っている人物。その人物が…稜夜先輩を殺したと、私は思ってます」

稜輔は少し怪訝そうな顔をする。

「そんなはずはない」

その言葉に、唯は眉を顰めた。

「どうしてそんなことが言えるんです」

「ありえないだろう。何のつながりもないんだ」

稜輔が言うと、唯は首を横にふった。

「どうしてそう、言い切れるんです?」

「…君のご両親を殺した犯人と、息子を殺した犯人が同じというはずはない。君の両親は、紅い蜘蛛に殺されたのだろう?」

稜輔の言葉に、唯はギュッと唇をかみしめた。

「そんな…」

唯が何か言おうとしたその時、佐藤がにたりと笑って唯を制止する。

「どこで、その情報を?」

「は?」

「どこでその情報を仕入れられたんです?」

佐藤の言葉に、稜輔はやれやれと言った風な顔をする。

「どこのテレビでもやっているだろう。私がテレビを見ていてはおかしいかね?」
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