Symphony V
稜輔の言葉に、佐藤は首を横にふる。
「違いますよ、高遠さん。この子がどうして、殺された東峰夫妻の娘だとわかったんですか?」
「は?それはテレビで…」
言いかけてはっとする。
「この子、まだ未成年です。テレビの報道で、顔が出るなんてまずあり得ないんですよ」
佐藤の言葉に唯ははっとした。
唯の存在を、稜輔は知っている。
何より、東峰夫妻に引き渡す約束を葵夫妻にさせたのは、他でもない、稜輔本人だからだ。
雅子に話しを聞いて、唯自身、稜輔が東峰夫妻の娘ということを知っているということに、なんら疑問を持っていなかった。
「で?どうして知ってるんです?この子。自分の名前すらあなたに教えてないですよね?」
稜輔の表情が、苦虫をかみつぶしたような顔になる。
「それに、東峰夫妻を殺した犯人の情報については、一切報道されてません。どうして殺したのが、紅い蜘蛛だとあなたは思ったんです?」
佐藤の言葉に、稜輔は何も答えない。
唯はギュッとこぶしを握りしめて、稜輔に言った。
「先輩を殺したのは、間違いなく紅い蜘蛛です」
「…違う。そんなはずは、ない」
「先輩の首に、ちゃんと蜘蛛の印があった…から…」
あれ?蜘蛛の印……
「それは…ありえない!」
稜輔は真っ青な顔をして叫んだ。唯ははっとする。
「違いますよ、高遠さん。この子がどうして、殺された東峰夫妻の娘だとわかったんですか?」
「は?それはテレビで…」
言いかけてはっとする。
「この子、まだ未成年です。テレビの報道で、顔が出るなんてまずあり得ないんですよ」
佐藤の言葉に唯ははっとした。
唯の存在を、稜輔は知っている。
何より、東峰夫妻に引き渡す約束を葵夫妻にさせたのは、他でもない、稜輔本人だからだ。
雅子に話しを聞いて、唯自身、稜輔が東峰夫妻の娘ということを知っているということに、なんら疑問を持っていなかった。
「で?どうして知ってるんです?この子。自分の名前すらあなたに教えてないですよね?」
稜輔の表情が、苦虫をかみつぶしたような顔になる。
「それに、東峰夫妻を殺した犯人の情報については、一切報道されてません。どうして殺したのが、紅い蜘蛛だとあなたは思ったんです?」
佐藤の言葉に、稜輔は何も答えない。
唯はギュッとこぶしを握りしめて、稜輔に言った。
「先輩を殺したのは、間違いなく紅い蜘蛛です」
「…違う。そんなはずは、ない」
「先輩の首に、ちゃんと蜘蛛の印があった…から…」
あれ?蜘蛛の印……
「それは…ありえない!」
稜輔は真っ青な顔をして叫んだ。唯ははっとする。