Symphony V
「死んだと思っていたんだろう?」
稜夜に冷たく言われ、唯は頷いた。
「けど、どこかで信じていなかった。お父さんもお母さんも、本当はどこかで生きているんじゃないかって。そう、思いたかった」
ぎゅっと唇を噛締め、唯は続けた。
「…お父さんとお母さんは、何で殺されたの?」
稜夜に聞くと、稜夜は肩をすくめて、少し困ったような顔をした。
「それは俺に聞かれても困る。そっちの理由に関しては、クライアントから聞いてないんでね」
稜夜をじっと見つめる唯。ふぅ、と息を吐くと、首を横にふった。
「それより。もうひとつの理由はわかったのか?」
聞かれて唯は頷いた。
「まゆ先輩が私を狙った理由。それは、私が葵夫妻の娘だから」
その言葉に、稜夜は頷いた。
「だけど、それだけじゃない。答えとしては50点ってところだな」
言われて唯はさらに続けた。
「稜夜先輩が、私のことを好きだったから」
「…続けて」
「稜夜先輩と私は、ちょうど10年前に出会ってた。私が、東峰夫妻の所へ養女へ行ったとき。そのとき、私は稜夜先輩に会って、そして、1体のくまのぬいぐるみをもらった。そこには、稜夜先輩とのある約束が録音されていた。まゆ先輩は、稜夜先輩のことが好きだったから。だから…」
そこまで言ったとき、ぱぁんという乾いた音が響き渡った。
稜夜に冷たく言われ、唯は頷いた。
「けど、どこかで信じていなかった。お父さんもお母さんも、本当はどこかで生きているんじゃないかって。そう、思いたかった」
ぎゅっと唇を噛締め、唯は続けた。
「…お父さんとお母さんは、何で殺されたの?」
稜夜に聞くと、稜夜は肩をすくめて、少し困ったような顔をした。
「それは俺に聞かれても困る。そっちの理由に関しては、クライアントから聞いてないんでね」
稜夜をじっと見つめる唯。ふぅ、と息を吐くと、首を横にふった。
「それより。もうひとつの理由はわかったのか?」
聞かれて唯は頷いた。
「まゆ先輩が私を狙った理由。それは、私が葵夫妻の娘だから」
その言葉に、稜夜は頷いた。
「だけど、それだけじゃない。答えとしては50点ってところだな」
言われて唯はさらに続けた。
「稜夜先輩が、私のことを好きだったから」
「…続けて」
「稜夜先輩と私は、ちょうど10年前に出会ってた。私が、東峰夫妻の所へ養女へ行ったとき。そのとき、私は稜夜先輩に会って、そして、1体のくまのぬいぐるみをもらった。そこには、稜夜先輩とのある約束が録音されていた。まゆ先輩は、稜夜先輩のことが好きだったから。だから…」
そこまで言ったとき、ぱぁんという乾いた音が響き渡った。