Symphony V
「…もしかして…あなたがヨウスケ?」

唯の言葉に、稜夜の動きが止まった。

「あなた、稜夜先輩じゃないでしょう?」

そう、それは薄々気づいていた。稜夜とそっくりの声に顔。でも、稜夜とは似ても似つかない冷たい性格。何より、唯のことを唯と呼び捨てで呼んでいた。

「ヨウスケだと?」

稜夜に聞かれて、唯は思い切って聞いてみた。

「首筋にあるそのほくろ。先輩の家族写真に写ってた少年の首筋にも、そのほくろがあった」

唯が言った瞬間、稜輔はばっと首を押さえた。

「やっぱり…あなたがヨウスケなのね?」

唯はじっと、目の前の人物を見つめた。
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