Symphony V
陽輔はくくっと笑った。唯はどうして陽輔が笑っているのかわからず、首を傾げた。

「すごいな。まさか俺の正体にまでたどりつくとはな」

そういうと、陽輔は今までからは想像もつかないほどの満面の笑みを浮かべた。

「実に何年ぶりだろうな。俺のことを本名でそう呼んでもらうのは」

ははっと陽輔は大きな声で笑った。

「何がおかしいの?」

「自分の父親ですら、俺のことを本名で呼ぶことはなかった」

「え?」

ふっと笑うのをやめて、陽輔は唯に微笑みかけた。

「いいだろう、実にすばらしい」

そういうと、楽しそうに陽輔は唯の体を抱き起こし、続けた。

「君には教えてあげよう。とっておきの、俺の秘密を」

ふっと笑うと、陽輔は唯に話し始めた。
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