Symphony V
Presto
数分後に到着した救急車で、陽輔と唯は近くの病院へと運ばれた。
幸い、陽輔は軽い脳震盪を起こしているだけで、命に別状はなかった。
唯は太ももを打ち抜かれた傷が思ったより深く、すぐに数針縫う小さな手術をした。
思っていた以上に疲れていたのと寝不足とで、局部麻酔だったが、唯は深い眠りについていた。
気がつけばすでに翌日の昼を迎えていた。
「唯、気がついた?」
ほっと安堵するレオンに、唯は微笑んだ。
「…陽輔は?」
唯に聞かれて、レオンは大丈夫、と頷いた。
「まだ目を覚ましていないけど。命に別状はないから安心していいよ」
そういわれて、今度は唯が安堵の色を浮かべた。
「…本当にごめんな」
「なにが?」
レオンが今にも泣きそうな顔をして俯く。唯は不思議そうに首を傾げた。
「唯が殺されかけたとき、助けられなかった。危ない目にあうかもしれないわかっていたのに、とめられなかった」
その言葉に、唯はくすっと笑った。
「気にしないで。レオンはレオンなりに、私のことを思ってのことだったんでしょ?」
レオンは唯に抱きついた。
「ちょ、ちょっとレオン!?」
慌てる唯。
肩の辺りに暖かいものを感じて、唯はふぅ、と息をつくと、レオンの頭をそっとなでた。
「ありがとう、レオン」
幸い、陽輔は軽い脳震盪を起こしているだけで、命に別状はなかった。
唯は太ももを打ち抜かれた傷が思ったより深く、すぐに数針縫う小さな手術をした。
思っていた以上に疲れていたのと寝不足とで、局部麻酔だったが、唯は深い眠りについていた。
気がつけばすでに翌日の昼を迎えていた。
「唯、気がついた?」
ほっと安堵するレオンに、唯は微笑んだ。
「…陽輔は?」
唯に聞かれて、レオンは大丈夫、と頷いた。
「まだ目を覚ましていないけど。命に別状はないから安心していいよ」
そういわれて、今度は唯が安堵の色を浮かべた。
「…本当にごめんな」
「なにが?」
レオンが今にも泣きそうな顔をして俯く。唯は不思議そうに首を傾げた。
「唯が殺されかけたとき、助けられなかった。危ない目にあうかもしれないわかっていたのに、とめられなかった」
その言葉に、唯はくすっと笑った。
「気にしないで。レオンはレオンなりに、私のことを思ってのことだったんでしょ?」
レオンは唯に抱きついた。
「ちょ、ちょっとレオン!?」
慌てる唯。
肩の辺りに暖かいものを感じて、唯はふぅ、と息をつくと、レオンの頭をそっとなでた。
「ありがとう、レオン」