Symphony V
白いそれに近づくにつれ、鼓動が早くなり、音が大きくなっていった。
周りにひびいてるんじゃないかと思うくらい、心臓の音が大きく聞こえる。
「…とるぞ」
村儀がそう言って、ちょうど顔の部分らしきところにかけてあった布に手をかける。唯はごくんと喉を鳴らした。
「……っ!!」
かくんとひざがおれ、その場にへたり込む唯。呆然と床を見詰めていた。
「稜夜!」
レオンの声が部屋中にこだました。
嘘だ。
こんなの。
嘘に決まってる。
しずくが頬を伝って落ちていった。冷たいコンクリートの床に、ぽたぽたっと小さく音を立てて落ちていった。
周りにひびいてるんじゃないかと思うくらい、心臓の音が大きく聞こえる。
「…とるぞ」
村儀がそう言って、ちょうど顔の部分らしきところにかけてあった布に手をかける。唯はごくんと喉を鳴らした。
「……っ!!」
かくんとひざがおれ、その場にへたり込む唯。呆然と床を見詰めていた。
「稜夜!」
レオンの声が部屋中にこだました。
嘘だ。
こんなの。
嘘に決まってる。
しずくが頬を伝って落ちていった。冷たいコンクリートの床に、ぽたぽたっと小さく音を立てて落ちていった。