Symphony V
「でも、なんで私のこと知ってるんですか?」

疑問だった。
キアリーに会ったことはないのに、なぜかキアリーは自分のことを知っている。

「レオンの部屋に泊まっただろう?」

言われてさぁっと顔から血の気が引く。

「な、なんでそれを!?」

「レオンが帰ってきたみたいだったからね。ちょっと部屋にお邪魔したら、ベッドで可愛らしいお嬢さんが寝てたもんだからびっくりしてね。まさか攫ってきたんじゃないかと思わず殴りかかってしまってね」

「は!?な、なぐっ!?」

「あはは、大丈夫だよ。軽くあしらわれたからね」

けらけらと笑うキアリー。


なんか…イメージとちょっと違う……


あはは、と唯も乾いた笑いを浮かべる。

「今回のことは…僕もついさっき聞いて、驚いたよ」

キアリーの言葉に唯の体がびくっとなり、表情は強張った。

「とにかく、2人とも帰ろう」

それ以上は何も言わず、2人を連れて、警察署を出て行った。
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