Symphony V
だけど、恥ずかしいとは思ってても、やっぱり自慢はしたいわけで。
「えへ、稜夜先輩と目があっちゃった」
終業式も終わって、教室に戻る途中、里香にソッコー話した。
「気のせいじゃない?」
ぷぅっと頬を膨らませながら言う里香に、私は拗ねるな拗ねるな、と頭を撫でた。
「なんか唯、ついてるよねー」
羨ましそうに里香が言う。唯はうーん、と少し考えたあと、うん、と頷いた。
「否定はしない」
「ずるーい!」
きゃぁきゃぁと2人でふざけながら教室に戻っていると、1人の女生徒とぶつかった。
「あっ、ごめんなさ…」
いいかけて少し顔がひきつった。里香がどうしたのかと、相手の顔を見てあっ、と小さく声を漏らした。
「ちゃんと前見て歩いてくれる?邪魔」
キッと睨み付けながらキッパリと言い放つその子は、1こ上の先輩で、葵まゆ先輩。
生徒会副会長様で、女子の間での評判はすこぶる悪い。
なにより、唯には苦い思いでのある人物だ。
「すいませんでした」
そう言って、ソソクさとその場を去ろうとしたのだが、残念ながら、まゆはそれを許してくれなかった。
「まだ来てたんだ、ガッコ。図々しい」
その言葉に、里香がピクリと反応する。
「さっさとやめてくれればいいのに」
そう言って、唯の顔を覗き込むようにみてくる。
「…何でですか?意味わかんないんですけど」
唯の言葉に、まゆの表情が険しくなる。
「えへ、稜夜先輩と目があっちゃった」
終業式も終わって、教室に戻る途中、里香にソッコー話した。
「気のせいじゃない?」
ぷぅっと頬を膨らませながら言う里香に、私は拗ねるな拗ねるな、と頭を撫でた。
「なんか唯、ついてるよねー」
羨ましそうに里香が言う。唯はうーん、と少し考えたあと、うん、と頷いた。
「否定はしない」
「ずるーい!」
きゃぁきゃぁと2人でふざけながら教室に戻っていると、1人の女生徒とぶつかった。
「あっ、ごめんなさ…」
いいかけて少し顔がひきつった。里香がどうしたのかと、相手の顔を見てあっ、と小さく声を漏らした。
「ちゃんと前見て歩いてくれる?邪魔」
キッと睨み付けながらキッパリと言い放つその子は、1こ上の先輩で、葵まゆ先輩。
生徒会副会長様で、女子の間での評判はすこぶる悪い。
なにより、唯には苦い思いでのある人物だ。
「すいませんでした」
そう言って、ソソクさとその場を去ろうとしたのだが、残念ながら、まゆはそれを許してくれなかった。
「まだ来てたんだ、ガッコ。図々しい」
その言葉に、里香がピクリと反応する。
「さっさとやめてくれればいいのに」
そう言って、唯の顔を覗き込むようにみてくる。
「…何でですか?意味わかんないんですけど」
唯の言葉に、まゆの表情が険しくなる。