Symphony V
どれだけの時間がたっただろうか。
陽が落ち、辺りが暗くなってきた。

電気をつける元気もなくて、そのまま暗く、荒れた部屋の中で、ただボーっと座り込んでいた。


車の音がした。誰かが来たようだ。


ピンポーン。


インターホンが鳴る。

でも、今は人に会いたくない。


座り込んだまま、動こうとしない。



ピンポーン。


また音がした。
が、唯は動かなかった。


しばらく、静寂があたりを包み込む。


3度目のチャイムが鳴る。
唯は立ち上がり、玄関へと向かった。
< 69 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop