Symphony V
Andante con moto
変イ長調 3/8拍子
現場検証を終えた村儀が、居間にやってきた。開口一番、出てきたのはため息だった。
「とりあえず、まずは話を聞かせてもらおうか」
言われて、唯は全てを話した。警察署を出てからのことを全て。包み隠さずに。
「…不審な物音や人物は見かけたか?」
唯は首を振る。
「こんなことをされる心当たりは?」
それこそ皆無だ、といった風に、唯は首をふった。
「どうして俺に電話をした」
村儀の言葉に、唯はなんとなく、とだけ答えた。
「なんとなく、か。その割には、紅い蜘蛛の名前を出してきたのはなぜだ」
「…なぜって…お父さんの首のところに、赤い蜘蛛の印があったから。そのとき、村儀さんの言ってた言葉を思い出して」
聞かれて唯は表情を変えることなく淡々と答える。
「最初にうちにきてた警察の人は、無理心中だとか訳のわかんないこと言ってるし。こんなんじゃ犯人捕まえられないと思ったの」
村儀は黙って、唯の言葉を聞いていた。
「…それより、紅い蜘蛛ってなんなんですか?教えてください」
唯に聞かれて、村儀は少し考え込む。
「まぁ…さすがにこの状況じゃ、説明無しって訳にはいかねーか」
頭をぼりぼりとかきながら、ふぅ、とひとつ息をついた。
「とりあえず、まずは話を聞かせてもらおうか」
言われて、唯は全てを話した。警察署を出てからのことを全て。包み隠さずに。
「…不審な物音や人物は見かけたか?」
唯は首を振る。
「こんなことをされる心当たりは?」
それこそ皆無だ、といった風に、唯は首をふった。
「どうして俺に電話をした」
村儀の言葉に、唯はなんとなく、とだけ答えた。
「なんとなく、か。その割には、紅い蜘蛛の名前を出してきたのはなぜだ」
「…なぜって…お父さんの首のところに、赤い蜘蛛の印があったから。そのとき、村儀さんの言ってた言葉を思い出して」
聞かれて唯は表情を変えることなく淡々と答える。
「最初にうちにきてた警察の人は、無理心中だとか訳のわかんないこと言ってるし。こんなんじゃ犯人捕まえられないと思ったの」
村儀は黙って、唯の言葉を聞いていた。
「…それより、紅い蜘蛛ってなんなんですか?教えてください」
唯に聞かれて、村儀は少し考え込む。
「まぁ…さすがにこの状況じゃ、説明無しって訳にはいかねーか」
頭をぼりぼりとかきながら、ふぅ、とひとつ息をついた。