Symphony V
「あぁ、わかった。ご苦労また連絡する」

村儀がぱくんっと携帯を畳むと全員の視線が、一斉に村儀の方へと集中した。

「…携帯の画像データには、マークは残っていなかった」

『え?』

村儀の言葉に、唯とレオンは驚いた。


そんな、じゃあレオンがみたデータってなんなの?


新たな疑問が、唯の中に沸き起こる。


「そんな馬鹿な!俺は確かに」

レオンがそんなはずはない、と訴えかけたその時だった。

「データには、残っていなかった」

レオンの言葉をさえぎるように、村儀が含みのある言い方をした。


「…携帯の電池パックの部分に、マークが残されていた」


村儀の言葉に、レオンは何も言わず、ただぎゅっと、唯の手を握り締めた。
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