真夏の太陽


「和良」
何故か,呟いていた。

頼りたかったわけでも,頼ったつもりもない。

ただ,見守っていてほしかった。

和良の,その視線の先になにが見えているのか,十座にはわからない。

しかし,その視線が自分に向いていてほしいと思う。

そんなことを考えながら,十座は打席に入った。


和良。


俺はお前に,甲子園で投げる姿を見せることができるだろうか。

そんなことが頭に過った。

その時だった。


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