真夏の太陽


そこには,打席で呆然と,打球の行方を見つめている打者と,

マウンドで膝に手をつき,うなだれるような格好をしている投手,

必死でボールをキャッチしようと走る外野手。

それ以外の動きは,止まっているように見えた。

「はいった」

もう一度,さっきと同じ選手が口を開く。

その言葉とほぼ同時に,打球はスタンドへ吸い込まれていった。

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