真夏の太陽


「「ありがとうございました!!」」


試合終了を告げるサイレンが,静かなグラウンドに響いている。

「優勝旗,もってこいよ」

「誰に向かって言ってるんだよ」

十座の自信に満ちた目を見つめ,天未は僅かに首を傾げる。
「当然だろ」

「…お前はすごいた」

天未は小さく笑い,十座に背を向け,ベンチの中へ消えていった。

十座はそんな彼の背中を,黙って見つめていた。

「十座。帰るよ」

天寺の声に振り返り,十座はベンチの中に戻った。



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