真夏の太陽
一年前の今日。
ふたりは泣いた。悔しさや,不甲斐なさを胸に。
しかし,今日のふたりの目に,涙はない。
代わりに,キラキラと輝く笑顔が,顔全体に広がっている。
「そういえば,あの子」
「…和良ですか」
「ぁぁ。姫来さん。ずっと,お前のこと見てたよ」
「知ってますよ。スタンドから,試合観ててくれたことくらい」
「試合じゃねぇよ」
「はい?」
「お前だよ。ずっと,神城の背中だけ見つめてた」
「…そうですか」