真夏の太陽


自分の投球が,全国で通用するかとか,そういうことじゃなく。

自分が甲子園に行ける人間なのかどうか。

「十座?」

突然,窓の方から声がする。

考えなくてもわかる。

主は和良だ。

「…なんだよ」

「いや。特に用はないけど。顔見に来た」

「あっそ」

そう言いながら,ベッドに座る十座。

「…なんかあった?」
突然そう言われ,内心ドキッとする。

和良には,何もかもが見透かされている気がする。

「…俺は,甲子園で勝てるのかな」

十座がそう言うと,いきなり頭を殴られた。

「なにすんだよ!」

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