真夏の太陽


しかし,和良は信じている。

十座が最高の笑顔で,優勝旗を持って還ってくることを。


最後に嬉し涙を流し,笑顔で和良の名前を呼んでくれることを。


真夏の太陽が照りつける,甲子園というグラウンドで。

十座は誇らしげに,空を仰ぐ。

日差しに目を瞑りながら。

頬を伝う水滴は,汗か涙か。

それは十座だけが知る。

全力で,夏を走り抜けた証。


「和良。勝ったぞ!」





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