真夏の太陽



「何してんだ」

「…ランニング」


その瞬間。
十座は確信した。

(こいつ,野球やってた)


「なんでやめたんだよ」

少年は足を止めた。そして,十座に背を向けたまま話し出した。

「母親と約束したんだ。中学で終わりって」

「…なんだよそれ」

「仕方ないんだ。僕は母の会社を継がなくちゃいけない」


十座は少年の背中を見つめながら,小さく言った。


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