真夏の太陽


毎日,多分十座が気が付くずっと前から,天寺はグラウンドを眺めていたのだろう。

だが,今こうして十座と話をすることで,天寺のなかに溜まっていた想いが,溢れ出したのだろう。

「やりたいから,我慢するの止める」

「…」

「じゃあ」


走り去ろうとした天寺の名を,十座が呼んだ。


「天寺ィ!一緒に野球やろうな!」

朝から近所迷惑だと思ったが,今のふたりには,そんな言葉は出てこなかった。


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