真夏の太陽


「十座くん。水」

「ありがとう」

マネージャーから水の入ったコップを受け取り,一気に飲み干すと,コップを衣苺に渡し,グローブに手を入れ,ネットに向かって足を動かした。

ストライク。
直球。
ど真ん中。

ネットに向かい,彼の放ったボールは,その,緑色のネットに吸い込まれ,威力を失い,跳ね返りもせず,そこに納まったまま。


「神城。ちょっとこい」

聖名に呼ばれ,部室の裏の方へ行った。


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