真夏の太陽


「黄征。頼むぞ」

練習終了後。


聖名が話しかけてきた。

十座は,何のことだかさっぱりわからなかった。

主将は,天寺の肩を軽く叩き,背を向けたまま手を振り,暗い道を帰っていった。

「はい」

「…?」

天寺は主将の言葉を重く,深く受け止め,主将に向けて。

十座に向けて。

そして,自分に向けて。

返事をした。


「帰ろう」

「ああ!」

微笑み,二人は帰って行った。



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