真夏の太陽


そう言った和良の言葉で,会話は途絶えた。


数分後。

唐突に十座が口を開いた。

「すげぇけど,なんか悔しい。今まで,俺の球たった一球で捕った奴なんて,いなかったから。少年野球ん時も。中学ん時も。…南さんも」

本当に悔しいというような表情ではない。

どこか嬉しそうで,誇らしげだった。

そんな十座の姿を見て,和良が頬を桜色に染める。


< 54 / 150 >

この作品をシェア

pagetop