真夏の太陽
「聖名のこと好きになったの?前は俺に愚痴ってたくせに」
「いいじゃないですか,べつに。それに,愚痴ってませんよ」
「まぁ,楽しみにしてるわ」
十座に向いていた視線をずらし,隣にいた天寺に移した。
「さて,確か,天寺くんだったかな」
「はい」
天寺は十座に向いていた視線を,話しかけてきた相手へ向ける。
「どう?神城の球は」
「すごいですよ」
「聖名より?」
「聖名さんの球は受けたことないからわかりませんけど,多分,スピードだけなら,聖名さんの方が上だと思います」
「他は」
「十座の方が,キレはあります」
「そうか」
十座は黙って,運ばれてきたコーヒーを飲んでいた。