真夏の太陽


「和良寝てるし…」

疲れたのか,電車の中で和良が寝てしまった。

「呑気な顔しやがって」

そんなことを言いながら,十座は自分が着ていた上着を脱ぎ,和良にかける。

「くすっ」

それを見て天寺が笑う。

「…なんだよ」

「いや。十座でもそんなことするんだなぁと思って」

「悪いかよ」

「べつに」

十座は赤面した。それを見て,天寺が笑う。

そんなふたりのやりとりを,衣苺が隣で微笑ましく見ていた。


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