真夏の太陽
明日
試合の翌日。
野球部の練習後,夜九時半。
聖名が十座の家を訪ねてきた。
「なんですか」
「いや,なんとなく」
「…とりあえず,どうぞ」
「どーも」
十座の案内で,部屋に上がる。
「神城」
「はい」
「…負けたよ」
「…」
笑っている。でも,どこかぎこちなく,今にも泣きそうな顔をしている。
「なんで,笑ってるんですか」
「えっ…」
「泣けばいいじゃないですか!悔しいんでしょ」
十座は,自らの眼に涙を溜めて,そう言った。