くろすおーばー・らぶすとーりー!
5 公開回想Ⅲ
みーちゃんという妙なあだ名をつけられた私は正直どうしたものかと迷っていた。どう行動すれば。どうすれば怪しまれずに高山姉の気持ちが聞き出せるんだろう…?
まあ考えても仕方がない。いずれなるようになるのだ。ならば今は至極淡々とこのメンバーと接し、少しでも糸口を探ればいい、だろう。
「ねえみーちゃん」
「…。はい?」
自分のことを言っているのだと認識するのに3秒近くかかってしまった。
早く慣れないと。でなくては。
溶け込み同調することなどできないんだろうな、と私は妙に冷静な頭で考える。
それにしても。
何をこんなにも単に好意で引き受けた話にまるでそれが義務であるかのように考えているんだろうか…?
私が考えているうちに話しかけてきた少女―――小宮優紀とか言ったか―――が語り出す。
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