キ ミ イ ロ













寝るときは真っ暗にする自分。



なのに何故か、このランプの明かりだけは消せずにいた。

大切にしたいと思った。




消えないでと、消さないでと、心が言っていた。


このランプが消えたら、なにもかもが目の前から消えてしまいそうで。







「……お父さん…」


蚊の鳴くような声が、自分の喉から出た。

目の前から消えた親父。




今は、
何をしているんだろう。



なんで、
今更出てきたんだろう。




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