キ ミ イ ロ
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それは特に何もない、ただ平凡な日。
朝、ではなくて、まるっきり昼に起きた夏休みのとある1日。
ゆっくり起き上がって、部屋から出れば誰もいない。
確か櫂兄はバイトに行っていて。
階段を下りて、キッチンの机にはサンドイッチ。
「…………」
無言で、それにかじりついたときだった。
──〜♪
鳴ったのはケータイ。
でも、登録されてない。
櫂兄の番号は登録したし……
試しに、通話ボタンを押した。