キ ミ イ ロ













──・・・死んだ、お父さんが。


卑怯だ。
なに勝手に死んでんだよ。




………クソ親父。


ケータイを置いた。
手に持ったままのサンドイッチも、食う気が失せた。




イスに座って、机に突っ伏した。


「……はあ…」





今日がお通夜…、誰が行くかっての。


あいつのお通夜なんか。




──ガチャリ

玄関のドアが開く音。




「ただいまー」

と、櫂兄の声。



「……おかえり」


「起きてた?おはよ、涙」


「うん」




櫂兄を見たとき、何故か目頭が熱くなる。




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