キ ミ イ ロ
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「……ふあっ…、あー…」
やる気のない夏休み。
起きればもう朝じゃない。昼。
リビングまで行けば誰もいない。
櫂兄はまたバイトで。
「………またか」
やっぱり机にはサンドイッチ。
ゆっくり手に取って、一口かじる。
そのままだらけてれば、櫂兄が帰ってきて。
「ただいまー」
「……おかえり」
昨日のやり取りと全く一緒。
だけど昨日みたいにケータイは鳴らないし。
──・・・今日はなにもない、
そう思うだけで落ち着く。