キ ミ イ ロ













それが普通になったらどれだけいいだろう。


それが非日常的になってしまったのはいつだろう。






櫂兄がそばにいて、
いつも笑顔でいられたら、
なんて、
今の自分には大きな我が儘で、


……叶うはず、
ないんだろうけど。




「……櫂兄、時間大丈夫?」


あれからかなりの時間が経っていた。



「…寂しいけど今日は帰るな。また明日来るから」


「……うん」



またね、そう言った櫂兄はカーテンを割って出て行った。


櫂兄が行ってしまった病室は閑散としてしまって暇。

一週間ずっとこれ……?






「夕食でーす」


もうそんな時間…ってまだ五時。






──・・・早くないか?




< 143 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop