キ ミ イ ロ
それが普通になったらどれだけいいだろう。
それが非日常的になってしまったのはいつだろう。
櫂兄がそばにいて、
いつも笑顔でいられたら、
なんて、
今の自分には大きな我が儘で、
……叶うはず、
ないんだろうけど。
「……櫂兄、時間大丈夫?」
あれからかなりの時間が経っていた。
「…寂しいけど今日は帰るな。また明日来るから」
「……うん」
またね、そう言った櫂兄はカーテンを割って出て行った。
櫂兄が行ってしまった病室は閑散としてしまって暇。
一週間ずっとこれ……?
「夕食でーす」
もうそんな時間…ってまだ五時。
──・・・早くないか?