キ ミ イ ロ
それから休憩と言われて、病室へ戻った。
真っ白なベッド。
少し色褪せたカーテン。
そこから見える青い空。
どこか悲しくなって、蝉の鳴き声が無駄に大きく聴こえる。
すると、
「涙ちゃん」
優しい声がした。
「……はい」
入ってきたのはひとりの医師。
ニッコリ笑って、カルテを持ってる。
「…訊きたいこと、あるんだけどいいかな?」
そう言って、ベッドの隣にあった小さな丸イスに座る。
「……なんですか?」
ベッドの背を専用のリモコンでゆっくりと上げて訊いた。
すると
「…最近、ホントに最近、貧血、起こしたことある?」