キ ミ イ ロ
「病院の飯なんかそんなもんだって」
「……そうかな」
「そうだよ」
愁の笑顔が眩しい。
夕日に照らされた愁の髪がキラキラ光ってキレイで、
いつの間にか、
「…………涙?」
その髪に触れていた。
「……あ、…ごめん」
名前を呼ばれたことにハッとして、パッと手を離す。
「………うん」
──・・・なんか不思議な雰囲気だった。
いつも元気で明るい愁が、今日はどこか静かで大人しくて。
「……涙、」
「………しゅ」
愁、
そう言おうとしたときだった。
愁の胸板が、目の前にあった。