キ ミ イ ロ













「病院の飯なんかそんなもんだって」


「……そうかな」


「そうだよ」





愁の笑顔が眩しい。


夕日に照らされた愁の髪がキラキラ光ってキレイで、

いつの間にか、






「…………涙?」



その髪に触れていた。







「……あ、…ごめん」
名前を呼ばれたことにハッとして、パッと手を離す。


「………うん」




──・・・なんか不思議な雰囲気だった。



いつも元気で明るい愁が、今日はどこか静かで大人しくて。







「……涙、」


「………しゅ」



愁、
そう言おうとしたときだった。






愁の胸板が、目の前にあった。




< 150 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop