キ ミ イ ロ
「…おめでと」
「……ありがと」
ふわふわした花束を、愁の手から受け取る。
──・・・なんで花束?
その疑問も、愁の笑顔を見ると吹っ飛んだ。
「……キレイだね」
「だろ?」
そんなやり取りをしていたら、早妃が花束と、近くにあった花瓶を持って、
「水、入れてくるね」
そう言って病室から出て行った。
愁は、早妃が出て行ったのをじっと見つめたあと、
「…あのさ、涙」
かしこまったように、言った。
「ん?」
キラキラした金の髪。
動く度に、耳にたくさん着いているピアスが光る。
愁の目は、いつもより真剣で。
自分はただ、愁の言葉を待った。