キ ミ イ ロ
長い長い、沈黙が続いた。
シンとした病室。
宙に浮いた、『友達』の文字。
「……また、来るな」
真っ白な空間に、愁の寂しげな声と、
パタンと閉まったドアの音が染み渡る。
微かに聴こえてきたのは、
──・・・愁の小さな嗚咽。
「……ごめん、愁」
キズ付けたくないから。
だからこそ、“友達”を貫いた。
ごめん、
ごめん愁。
最低な自分を、許して。
──・・・薄い壁の仕切りの向こう側、
愁の小さな嗚咽が、自分の涙腺をくすぐる。
「………っ」
すれ違ったそれぞれの想いは、
──・・・もう交わらない。