キ ミ イ ロ













だけど、それだけじゃなかった。



───・・・
これからもよろしく
涙の帰り待ってる
また遊びに行こうな
         愁




文章的にどうかと思った。
本当に愁が書いたのかって疑った。



それほどキレイな字。
だけど、『愁』の一文字は明らかにあの愁の字。





これを頑張って丁寧に書いたんだなって思うと、自然に笑みがこぼれた。




それを見てだろうか、櫂兄は
「いい友達持ったね」


そう言って、櫂兄は笑った。




自分も「うん」って頷いた。
本当にいい友達。







いつだって愁は、自分の中で


「…愁はね、大事な友達なんだ」








大事な人。




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