キ ミ イ ロ













早妃の言葉に、再びなにも言えなくなった。


「…ずっと前から」




かばんから出したのは、一枚の写真。


それは懐かしいと思うくらい、何年も前の写真。




──・・・写っていたのは、


「…相談されたの、中3の春だったし」






自分と愁。


「涙は、愁から聞かなかったの?好きって」




修学旅行のバスの中、2人してピースして。
なにが面白いのか、愁は大笑いして。
自分はふざけたような顔で。






「……聞けない、………聞けるわけない」




こういうこと、一緒にやってるからこそ、そういう感情はダメなんだ。




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