キ ミ イ ロ
「なんで?聞いてあげるくらいは出来るのに」
「……聞いたら、」
きっと聞いてしまったら。
──・・・友達には、戻れない。
「…前来たとき、愁告ろうとしてたんだよ」
「…………」
『涙にとって、俺ってなに?』
「…だけど泣いてた。
『言えるわけない』って」
「…………」
「『俺のポジションはいつまで経っても変わんない』って、……愁泣いてたよ」
自分はただ、写真を見つめてた。
どんどん滲んでいくのは、写真の中の愁。
ゆっくり早妃がため息一つして、歩き出す。
「…プレゼント、用意出来たら持ってくるね」
そう言い残して。
──・・・複雑な心境の中に落とされたままの自分だけが残された。