キ ミ イ ロ













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冷たい床に、足を乗せた。
ひんやりした床が、熱い足に触れたとき、反射的に足が引っ込む。






これから検査だから、腕に刺さっている点滴を引きずりながら、歩き出す。


多少ふらふらしながら、ゆっくり一歩一歩、足を進めた。




無菌室から出るため、消毒とマスクをして、病室から出た。


床と同じようなひんやりとした空気が頬を撫でる。




軽く、鳥肌が立った。
カラカラと点滴を引きずる音が、静かな廊下に染み渡った。




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