キ ミ イ ロ













真っ白で統一された診察室。




「落ち着いて聞いてくれるかな」


落ち着いてないのはあんただろ。


「……落ち着いてますよ」




心のずっと奥、緊張の糸が張る。
自分も、決して落ち着いてるわけじゃない。


──足が、手が、






震えてるんだ。




「…急性白血病、それが涙ちゃんの病気」













──・・・わかっていた運命は、


あまりにも残酷だった。





知っていたはずの未来は、


あまりにも憎らしかった。




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