キ ミ イ ロ













自分がそう言ったのが意外だったのか、先生は目を丸くした。


──・・・逃げるとでも思った?




だけどその後、先生は優しく微笑んだ。


「涙ちゃんからのその言葉、待ってたよ」




と言った。
そして
「頑張ろうね」


強く、優しく。




頷いた自分の頭をポンと撫でた。











先生の机の上には、たくさんのカルテが散らばっていた。




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