キ ミ イ ロ













最後に再びお礼をして歩こうとしたとき
「彼氏さんと二人でねー」


と看護師。




彼氏、いないんだけど。
──・・・だけど、




「……彼氏」


なんか、嬉しかった。






白い箱を片手にぶら下げて、病室に入る。






「……あ、」


もうすぐ陽が傾くとき、外が白く曇って。




──・・・雪。


『クリスマス、夕方行くから待っててよ』






櫂兄、来れるかな。




< 240 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop