キ ミ イ ロ
「……なにしてるの?」
広い広い草原の中、寝転がっている少年。
切ない、だけど優しい目をしていた。
──・・・思い出せない。
この少年がだれに似ているのか、思い出せない。
だれかに、絶対似ているのに。
まったく思い出せない。
ふと思い出したのが、……愁。
だけどなにか違うんだ。
「こんななにもないところに、なにしに来たの?」
──・・・夢だけど。
だけどその少年は本当に存在しているようで。
不思議な存在だった。