キ ミ イ ロ













──・・・でもいま寒いだろうし。


「……櫂兄、あのさ」


「ん?」


少し迷ったけど、




「…クリスマスゼリー、あるんだけど」


「食べるっ!!」




目を輝かせた櫂兄。
それを見て少し笑って、冷蔵庫を開けた。
白い箱の中に二つ、寄り添うように並んでいるゼリー。


赤いカップ、それを二つ机に置く。




「…買ってきた?とか?」


「……もらった、看護師さんに」




そっかそっかー、そう言って二人で口にする。








──・・・こんな甘いもの、久しぶりに口にした。




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