キ ミ イ ロ













白いドア、金のドアノブ。

クルリと回して、ドアを開けた。
そこに立ってたのは


「あ、おかえりっ」




──敷浪櫂。

「……………」



おかえり、とか
言われたことなくて。


軽く頭を下げて、リビングに入った。



新しい匂いがした。
お母さんと『お父さん』は、荷物を出して片付けていた。

「あ、涙、帰ってたの」



──ほら。

「……部屋二階?」



おかえり、なんて
言ってくれない。




< 25 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop