キ ミ イ ロ













伸びてきた櫂兄の手も、握られた手も、


櫂兄に触れると全部熱くなって。






──・・・いつまで?
目を開けようとしたけどやめた。



すぐ近くで、櫂兄の匂いがしたから。











「…………」


「…………」






永遠に続きそうな沈黙。




櫂兄に聞こえてしまうほどの高鳴る鼓動は、











「……っ」


「…………」











唇になにかが触れた感覚によって


一瞬にして止まった。






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