キ ミ イ ロ
「ちなみに俺、隣だからね。なんかあったら呼んで」
──呼ばねえよ。
スーッと静かにドアを開けた。
そこは、とても広かった。
前のマンションの部屋より、すごく広かった。
「…………すご」
歓喜あまって叫びそう。
吹き抜けからの窓。
「……新築最高」
ついそうやって呟いてしまう。
ベッドはもう置かれていて、ダンボールは積み上げられていた。
整頓するためにダンボールを探りまくった。
カラーボックスも出した。
小物もマンガも置いた。
でもなんか、
──・・・寂しい、気がする。